御岳山南天の劇的日常

地球での毎日。

アンチ赤い羽根と怖い話メモ

昨日、駅に赤い羽根募金の人たちが沢山いました。

僕は赤い羽募金が嫌いです。

 

僕が小学一年生の頃のことです。

学校でも赤い羽募金をしており、委員会に所属している上級生がお金を集めて羽を渡し、みんな募金をして手に入れた羽を学帽や名札につけていました。

僕も羽がほしくて、お母さんにお金をもらおうとしたところ、「今10円も100円もないから、500円あげるよ。これでお釣りをもらってきて」と500円玉をもらったんです。

 

翌日、僕は同じ登校班の女の子と一緒に、校門付近に居る上級生達にお金を渡しに行きました。

その女の子は僕の家の近所の子で、とてもかわいい子だったので同級生の間だけではなく、大人や上級生たちからも非常に可愛がられていたんですよね。

 

その日もその子は上級生達から「かわいい、かわいい」と褒められ、「かわいいから2枚あげる」と、10円と引き換えに羽を2枚もらっていました。

一方僕が500円を出すと上級生たちは驚きました。「ええ〜!500円もいいの?!」と。

当時も思ったのですが、お金は鍵の付いた募金箱に入れており、すぐ取り出せるようにはなってなかったので、お釣りという制度はなかったんだと思います。それに当時の自分からすると上級生の先輩たちはとても大人に見え、怖くて緊張してしまい、「お釣りがほしい」とは上手く言えませんでした。

とにかく、上級生たちは500円をそのまま募金箱に入れてしまい、そのあと顔を見合わせ笑いながら「でも羽はいくら払っても1枚だから、沢山払ってくれたのに悪いけど」「ごめんね〜」と言ったんです。

正直赤い羽を何枚ももらっても、仕方ないし、こう言ったら悪いけど、自分のお金でも無いので僕が損したというわけでもない。

ただ、目の前の子が「かわいいから」という理由で10円で2枚もらえたものを、僕は500円払っても1枚だけしか貰えなかったことがショックだった。

 

お母さんにもお釣りを貰えなかったことは話したのですが、もう一人の女の子がかわいいからという理由で羽を2枚もらったということについては、言ったかどうか覚えていない。それについてお母さんがなんと言ったかも定かではないですが、多分僕がいじいじしてはっきりお釣りのことを言えなかったことに、いい顔はしてなかったと思います。二言三言何か言われたような気もします。

 

誰がどう悪いというものでもないのですが、それ以来赤い羽根はあまり好きではありません。

 

幼少期というか、中学生くらいまでこういった近くの可愛い友達と比べられ、損をしたり嫌な思いをする、ということが何度もありました。というか、子供のうちのほうがそういった思いをすることは多い。

自分も子供の頃には多かれ少なかれそういう面もありましたが、子供のうちのほうが考えなしに物事を言って、優れていると思ったものを手放しに贔屓するし、大人は大人で、子供だからわからないだろうとかわいい子を褒める一方でそうでないものを馬鹿にするような人が居るんです。

(前者に関しては成長過程の未熟さ故だと思いますが、後者に関してはどういうつもりなのかと思う。余談となりますが「人格」というものは成人するあたりの年齢でやっと固まってくる、という話を先日知りました。)

 

そういった、他人と比較され軽んじられてきた経験の積み重ねと、僕のなにか一つに固執する性質が合わさって、この歳になっても変に容姿に執着しているんだと思います。

自分のことは大切だけど、どう大切にしたらいいのか分かりません。

自分も子供のころは「自分も馬鹿にされたんだから」と他人を馬鹿にする発言をしてしまったこともあったし、他者の容姿を馬鹿にするようなことを生きてきて一度もしていないのかといったら、そんなことはないと思います。

深く考えれば、変な顔のキャラクターを漫画に出すことや、面白い風貌のお笑い芸人を見て笑うことも他者の容姿を笑いものにしているということになるでしょうし、僕は誰かを恨んでいるとかそういうわけではなく、誰かと比べられて劣っていると判断され、嫌な扱いを受けた時に、「自分は不細工だから仕方ないな」と受け入れてしまった自分が一番許せないんだと思います。そのままの自分を誰より自分が許せないんですね。もはや他人がどうとかいう問題ではなく、自分一人の戦いなんです。

 

明日死んでも別にいいや、今すぐ死んだほうがいいかもしれないという気持ちや、ネットに気軽に自分の顔を載せてしまうところや、それでいて自分の顔が気持ち悪くて眠れなくなったり実店舗で服を買うことができなかったり、いつまでも身支度を負えられなくて泣いたりしているのは、全て「どうにかして自分を大切にしようとしたり、認めようとしている」結果なのかもしれません。他人からはちぐはぐな行動に見えると思いますが。

 

因みに、あの「羽募金」には青や黄色もあるみたいです。

僕は赤い羽根以外は、別になんとも思っていないのですが、青色が好きなので青の羽募金はちょっとほしいです。

 

 

今日バイト先で聞いた怖い話をメモしておきます。

 

みんなで一人旅の話をしていたら、母親より年上くらいの女性が

「みんな一人で寝るの、怖くないの?私怖くて、一人じゃイヤ。家でも電気つけて寝るもん」

と言うので、みんなで「可愛いね」と笑っていたら、

「目を閉じててさ、目の前に顔があったらって思うと、怖くない?よく金縛りに合うんだけど、昔金縛りにあったとき、タンスのところに顔だけの、口の横あたりから血を流した女の人の顔がドンっとあって、こっちを睨んでたの。夢だと思うんだけど、なんでそんな夢を見たのか分からないの」とのこと。

仕事の合間に聞いたので、あまり詳しく聞けなかったのですが、その人が最初に電気を消して眠れないと言っていたので、明るい部屋に取ってつけたように女の顔があるところを想像して、雑なコラージュのような光景が浮かんできて、よくありそうな話なんですがちょっと気味悪かったです。

なんとなくなんだけど、いかにも出そうな暗がりに幽霊が出るより、明るい場所になにかのバグのように唐突に出るほうが、不気味な気がする。